01 PETで不必要な検査を無くす
アメリカには「PET First」という言葉があり、下図のようにPETはがん診断のファースト・ステップに位置づけられています。従来はCTやMRIなどでがんの疑いが判明したとき、それだけでは腫瘍の良性・悪性の鑑別が難しいために、内視鏡検査や試験開腹といった検査が行われてきました。しかし、これでは患者さんの肉体的負担と経済的負担が大きく、いかにしてそれらの負担を無くすかが課題となっていたのです。
腫瘍の良性・悪性の鑑別を得意とするPETが登場してからは、まずPETを行い、異常がある場合は次の検査に進み、異常が見られない場合は検査をストップないし経過観察するという流れができあがりました。がんを見逃してしまう危険性がないわけではありませんが、PETは他の形態画像診断(CTやMRIなど)に比べて見逃し率は低いといわれています。逆にPETで異常が見つかった場合は、組織を採取しての診断など、より侵襲性の高い検査に進みます。PETを行った後でわざわざ侵襲性の高い検査を行う理由は、PETが炎症や良性腫瘍など、がん以外のものも検出してしまう可能性があるからです。この段階で精密な検査を行わず、がんでないものをがんと診断して治療を行ってしまうと、さらにリスクの高い治療を患者さんに強いてしまうこととなります。
PETを最初に行うことのメリットには、まずこのように患者さんの肉体的かつ経済的な負担を軽減できるところにあります。
